お米ができるまで
稲刈り後から 田植えの前まで 休むことなく来年のために・・・
秋の収穫が終わり、ほっとしたのもつかの間。まだ暖かいうちに肥料を散布して 頑張った土や土の中の微生物に餌をあたえます。 脱穀の時に出る籾殻を「燻炭」にして、田んぼに返します。 うちのこだわり「リサイクル堆肥」もまいて、土を元気にして田植えの準備します。
3月 おいしいお米の第一歩「種選び」
よい種は中身の詰まったもの。重い粒と軽い粒は科学的なものは使わず 「塩水」を使って見分けます。重い粒は沈み、軽い粒は浮きます。 使うのは沈んだ重い粒だけです。
4月 人手不足解消「種をまき、苗を育てる」
「育苗箱」に加えた床土と肥料を詰め、60℃の温度で殺菌し播種機(はしゅき・種まき機のこと)を使って均一に種をまきます。「育苗箱」は、ビニールハウスで昼と夜の温度差や、土の水分を調節しながら大切に育てられます。この工程だけは外部に委託しています。
5月 いよいよ田んぼに水が入り、田植えスタート!!
4月上旬に、田んぼを囲っている土の壁に田んぼの土を塗り、割れ目や穴を塞ぐ防水作業「畦塗り(あぜぬり)」をして準備完了。ゴールデンウイーク前に草刈を終え、いよいよ田んぼに水が入ります。標高600mの鬼ヶ城山の湧水を直接引き入れ、生活用水のないきれいな水が入ります。土がドロッとするまで丁寧にかき混ぜ、土の表面を平らにすることを「代かき(しろかき)」と言います。5月下旬田植機を使って、まっすぐむらなく苗を植えます。
6月 稲の健康管理をします
元気に育つよう、稲の背丈や葉の枚数・色など成長の具合を観察します。水の管理は難しく、稲の根が土の中でのびのび育つよう稲と稲の間に溝を掘ります。これを「溝切り(みぞきり)」といい、水管理がしやすくなります。
7月
稲がある程度育ってくると「中干し」をします。中干しは、田んぼの水を抜いて土を乾かし、稲の根を空気に触れさせ、土には酸素を補給させます。数日おきに、水を抜いては入れる作業を繰り返します。同時に、田の稲が均一に成長するように栄養補給「追肥(ついひ)」をあたえます。
8月
気温の上昇の時期、ここで気がかりなのが、稲の大敵!!「トビイロウンカ」や「いもち病」など、病気や害虫の発生です。「ウンカ」は、稲の葉や茎から汁を吸い繁殖力が強く、田んぼに穴をあけたように枯らしてしまします。こうした天敵から稲を守るため、地域によって定められた防除基準に沿った薬剤の散布を、ドローンやヘリコプターを使って行います。
9・10月 期待ふくらむ、ドキドキの稲刈り
台風などの被害を乗り越え、稲穂も頭を垂れるほど実ってきます。稲刈りの10日前後を目安に、田んぼの水を抜き稲を乾かします。籾(もみ)が栄養をたっぷり溜め込むころ、稲穂は黄金色に色づき田んぼ一面が輝いてきたら、ドキドキの刈り取りです。早く刈り取ると未熟粒が多くなり、遅すぎると収穫量は増えますが、籾が熟れすぎて米の色つやが悪くなるのでタイミングが重要です。コンバインを使い稲を刈り、脱穀を同時に行います。刈り取られった籾は、乾燥調節施設に搬入され、
①「乾燥機」にかけられます。生籾の水分が20~30%あり、10~12時間かけて15%前後に乾燥調節します。
②乾燥された生籾を「籾粗選機」にかけ、生籾に混入している異物を除去します。籾摺機の前にすることで籾摺機の負担を軽減することができます。
③「籾摺機」にかけ、「籾」と「玄米」に分けます。
④「石抜き機」にかけ、玄米に混入している石を除去します。これをやるかやらないかで、ごはんの食感が違います。
⑤「米選機」にかけ、玄米の規格品と規格外に選別します。内日三町生産組合では、1.85ミリの網目を使用。規格とは、地域や品種によって違います。
⑥「色別選別機」にかけ、玄米に混入している異物を除去し、米粒の大きさをそろえていきます。
⑦「選別計量機」で計量します。20kgは保有米や販売用、30kgは等級検査を受けます。
⑧「フレコン計量機」は、1t袋で、業務用に1080kgに計量します。
⑨鮮度維持のため13℃の保冷庫で保存します。精米は、精米施設に搬入されます。
①「金属探知器」にかけられます。乾燥調節施設で3回、精米施設で1回の異物混入の検査を実施し安心・安全に細心の注意を払います。
②「石抜き精米機」にかけ、石があれば除去し、規定の白度に仕上げます。
③「無洗米機」は、忙しい現代人や環境にもやさしい無洗米に加工します。
④「小米取り機」にかけ、精米工程で欠けたり割れたお米を取り除きます。
よくあるご質問
Q:玄米の中に混ざっている緑色の玄米は何ですか?
A:玄米の皮(果皮)に葉緑素が残っているためです。一般には「青未成熟粒」と呼ばれ、充実不足の状態で 刈り取られたものなどです。青未成熟粒を食べても健康上問題はありません。
Q:黒い点があるお米が混ざっているのは何ですか?
A:カメムシ等による食害の後が残った着色粒と呼ばれるお米です。お米の等級により混入の基準範囲は違いますが、 基準範囲内であれば健康や味に影響はありません。内日三町生産組合は「色彩選別機」で、できる限り着色粒を 取り除いていますが、すべてを取り除くことはできません。
Q:無洗米と白米の違いは?
A:「白米」は通常の精米装置にかけられ粘着性の高い「肌ぬか」が残りますが、「無洗米」は特別な精米装置によって化学物質など使わずに、ほぼ全ての「肌ぬか」を除去します。白米に比べ洗わずに済むため、時間の短縮・水の節約や水溶性ビタミンやミネラルの流出も少なくできる特長があります。
Q:無洗米の水の量は?
A:無洗米は表面の「肌ぬか」が取り除かれているため、通常より少し多めにお米が入ります。
白米用の計量カップで量る→
① 内釜に「無洗米のめもり」がある場合→「無洗米のめもり」に合わせる
② 内釜に「無洗米のめもり」が無い場合→「白米」のめもりに合わせる+1合につき15ml(大さじ1)足す無洗米のカップで量る→
内釜の「白米めもり」に合わせる。※無洗米のめもりは使わない。あとは、お好みにあわせて水加減を調整してください。
Q:お米を洗うと洗い水が白く濁るのはなぜ?
A:お米のでん粉です。糠やよごれではありません。「洗い水が透き通るまで」そこまで研ぐ必要はありません。逆に洗いすぎ、研ぎすぎはお米が割れたり砕けたりするので注意しましょう。